NISSAN SKYLINE GT-R V・spec Ⅱ Nur (BNR34) '02の公式解説
1999年1月、R34型GT-Rがデビューした。大柄なR33から一変して筋肉質のボディを与えられ、全長で75mm、ホイールベースで55mmコンパクトになった。剛性は極限まで高められ、先進的なエアロダイナミクスは冷却やダウンフォースまでも考慮している。
搭載エンジンはR32型以来のRB26DETTだが、トルク向上とレスポンスアップ、軽量化を狙ってさらにリファインの手が加えられた。中でも大幅なフリクション低減に成功したセラミックターボの効果は大きく、ついに最大トルクは40kgfmの大台に達している。シャシー性能も格段に向上し、もはや意のままといえるコントロール性を得た。アテーサE-TSプロによる駆動力配分で、姿勢変化は自由自在。ステアフィールも4WDとは思えぬレベルで、名車R32と比べてもその走りは隔世の感をおぼえるほどである。
より高性能なV・specは、強力なダウンフォースを生み出すフルカーボン製リアディフューザーを量産車として初採用した他、アクティブLSDも標準装備。このV・specは2000年10月にV・specⅡへと進化し、NACAダクトを備えたカーボンボンネットまで与えられている。さらに2001年5月、ル・マンカーのサスセッティングにヒントを得た、コンフォート性の高いMスペックも投入された。
2002年1月、ドイツのニュルブルクリンクにちなんだ限定車「ニュル」がデビューした。N1仕様のRB26DETTを搭載したスペシャルモデルだった。しかしスポーツカーの世界を変革した第2世代GT-Rは、排ガス規制という世の流れを受け、このモデルを最後に幕を閉じたのである。