HONDA S660 (JW5) '15の公式解説
S660は、1996年に販売終了となったビート以来、ホンダにとっておよそ19年ぶりとなる軽自動車規格のオープンカーであリ、スポーツカーである。
メカニカルレイアウトは、リアミッドシップの2シーター。ボディは完全なる新設計で、骨格を直線もしくは滑らかな曲線で構成し、センタートンネルやサイドシル、サイドフレームなど全体の60％に超高張力鋼板を、リアのサブフレームにはアルミダイキャストを使用。車重を800kg台前半に抑えながら、静的ねじり剛性はS2000を上回るという剛性の高さを確保している。
ルーフは頭上のみが開閉できるタルガトップに近いもので、ソフトトップをクルクルと丸めながら取り外し、フロントフード内のボックスに収納する仕組みだ。
エンジンはN-BOXなどに使われる660ccの直列3気筒DOHCターボをベースに開発されたもので、64PS/10.6kgfmを発揮。トランスミッションは1～5速がクロスした6速マニュアルと、スポーツモード付きのパドルシフト式CVTが用意された。
サスペンションは4輪ストラットで、ブレーキは4輪ディスク。コーナリング時にフロント内側に軽くブレーキをかけることでアンダーステアの発生を抑えるトルクベクタリングシステムを採用。またタイヤは横浜ゴムと共同開発した専用スペックで、グリップ力と前後のグリップバランスを重視した仕立てだ。これらの総合力で軽自動車とは思えないほどのコーナリングスピードと、極めてニュートラルで痛快なハンドリングを実現している。
