Ford FordGT '06の公式解説
かのル・マン24時間レースで1966年に1位から3位を独占し、1969年まで4年連続で優勝するという偉業を成し遂げた伝説のレーシングマシンがフォードGT40である。そしてフォード創業100年を記念してその姿とスピリットを甦らせたのが、このフォードGTだ。コンセプトモデルの発表は2002年のデトロイトショー。正式デビューは2004年のデトロイトショーであった。
そのスタイリングは1960年代のGT40を彷彿とさせる美しいものだが、アルミスペースフレームに組み合わせられるボディは、現代の基準や法規に合わせて新たにデザインされた別物。ちなみに全長は457mm長く、車高も102mm高く、各部にフラッシュサーフェス技術が用いられ、高い質感を誇っている。室内も、いにしえのイメージを巧みに残しつつ現代流に仕上げられており、2名がストレスなく乗車することができる。
ミッドに縦置きで搭載されるエンジンは、スーパーチャージャー付き5.4LV8DOHCである。最高出力は558PS/6,500rpm、最大トルクは69.13kgfm/3,750rpm、トランスミッションは当時主流になりつつあった2ペダルのセミATではなく、オーソドックスな3ペダルの6速MTのみ。0-60mph(約100km/h) 到達タイム3.3秒、最高速度は330km/h。これらの数値からも理解できるように、フォードは姿かたちだけでなく、レーシングカーとしてのGT40並みに性能までも再現し、ストリートに解き放ったのだ。
このフォードGTは2006年までの3年間で4038台が生産された。そのほとんどがフロントからリアまでを貫く2本の太いストライプを持つが、ごくわずかにストライプレス仕様も存在する。