Ferrari F430 '06の公式解説
スーパーカー・リーグの第一線で戦うミッドシップ・フェラーリとして登場したのが、2004年にデビューしたF430である。心臓部のV8エンジンは新開発の4.3L。1973年デビューの308GT4以来基本を同じくしてきた旧ユニットから変更されている。
最高出力はかつてのF40をも上回る490PS/8,500rpm。このパワーを伝えるクラッチにはツインプレート式を新採用、トランスミッションは6MTと「F1マティック」と呼ばれる2ペダルの6MTが用意されている。
シャシーまわりは1999年にデビューした360モデナの発展型で、アルミの押し出し材をアルミ鋳造材でつないだフレームを引き続き採用。F430へのモデルチェンジにあたっては衝突安全対策として構造が一部変更された他、床板にアルミ合金の中では特に強靭な、航空機界では超々ジュラルミンと呼ばれる素材を採用している。シャシー下面のディフューザー形状も改良、こちらも360モデナ比で50%のダウンフォース向上を得たという。
スタイリングはフェラーリの伝統でピニンファリーナが担当し、当時チーフデザイナーだったフランク・ステファンソンが手がけている。先代の360だけでなく、1960年代のF1やル・マンで活躍したマシンのデザインもとりいれている。また、テールランプの造形は、2002年に登場したスペチアーレ、エンツォ・フェラーリ風のディテールが盛り込まれているのが特徴的だ。
公表された最高速は実に315km/h。オプションでカーボン・セラミック製ブレーキ・ローターまで用意されるF430は、間違いなくトップレベルのスーパー・スポーツカーである。