Ferrari Dino 246 GT '71の公式解説
ミッドシップレイアウトのマシンで1960年代のレースシーンを席巻していたフェラーリは、1968年、そのテクノロジーを盛り込んだロードカー「ディーノ 206 GT」をリリースする。ディーノ 206 GTは、ピニンファリーナ・デザインによるオールアルミ製の流麗なボディに、当時のフェラーリが採用していたV型12気筒ではなく1,987ccのアルミ製V6エンジンを搭載した美しいべルリネッタだった。特徴的だったのはフェラーリの名前を冠されず、あくまでも「ディーノ」として、まるで別ブランドのモデルであるかのような形で販売されたことだ。
「ディーノ」は、フェラーリ創設者エンツオ・フェラーリの長男アルフレードの愛称。1956年に24歳の若さで他界した彼が病床でアイディアを出したという65度V型6気筒DOHCエンジンは、1957年以降レーシングマシンに搭載されて活躍をおさめており、ディーノ 206 GTはF2用エンジンのホモロゲートを得る目的をも担っていた。
そして1969年、ディーノ 206 GTは大幅なマイナーチェンジを受け、ディーノ 246 GTへと発展する。まず、生産効率が悪くコストも高かったアルミ製のボディはスチール製へと変更され、エンジンブロックは鋳鉄製に。増加した重量に対応するため排気量を2,418ccへと拡大し、出力とトルクは185PS/17.9kgfmから195PS/23.0kgfmへと向上。最高速度も235km/hをキープした。またホイールベースを伸ばすなど操縦性も改善。そのハンドリング性能は現在も絶賛され続けている。
1971年にはタルガトップの246 GTSが追加され、ベルリネッタと合わせて1974年までに3761台が生産された。