DODGE Charger SRT Hellcat (4th Gen) '15の公式解説
2014年に発表されたチャージャーSRTヘルキャットは、1966年から断続的に続いてきたダッジチャージャーの歴史の中でもひときわ高い性能が与えられたプロダクションモデルである。
2005年にデビューした第3世代チャージャーは、往年のマッスルカーを想起させる筋骨のたくましいスタイリングデザインと、クライスラー系高性能エンジンの象徴である「ヘミ」ユニットを主力とするエンジンラインナップなどから、実にアメリカらしい高性能4ドアセダンとして好評を得ていた。ラインナップの中には477PSを発揮する6.4Lヘミを搭載する強力なモデルも存在した。
しかし、このヘルキャットはそれとは桁違いのパワーを誇っている。クライスラーの高性能モデル開発チーム、SRTの手で念入りに開発を進め、6.2Lヘミをスーパーチャージャーなどでチューンナップした、最高出力717PS、最大トルク81.6kgfmという驚異的なアウトプットを誇るエンジンを搭載。強化型の8速ATとの組み合わせで、0-60マイル(0-97km/h)加速タイム3.7秒、最高速度328.3km/hというスーパーカー並みのパフォーマンスを叩き出している。
メカニズム的にはひと足先に2ドアクーペの兄弟版であるチャレンジャーに設定されたヘルキャットとほとんど同一といえる仕様ではあるが、1/4マイルを11秒で駆け抜けるというその数値は、チャレンジャーよりも0.2秒速い。これらの数値は並み居るヨーロッパ製のライバル達を優に凌いでおり、世界最速の4ドアセダンとなった。それにもかかわらず価格設定は6万3,995ドルから。ライバル達よりも大幅にリーズナブルで戦略的な価格がこれまた人々の度肝を抜いたのである。