De Tomaso Pantera '71の公式解説
パンテーラは、かつてイタリアに存在したスポーツカーメーカー、デ・トマソの3作目のモデルとして登場した、ミッドシップのスーパースポーツカー。このクルマがフォードとの共同開発モデルとして誕生したきっかけは、当時のフォード副社長リー・アイアコッカが、ブランドイメージ向上のためにフォード GT40を彷彿させるようなスポーツカーを作ろう、とプロジェクトを立ち上げたこと。そこにアイアコッカと親しかったデ・トマソの創設者、アレッサンドロ・デ・トマソを招き入れたのだ。
フォードが目指したのは、価格をリーズナブルにし、大量販売すること。そのため、カロッツェリア・ギアのトム・チャーダが手掛けたイタリアンスタイルのスーパーカーでありながら、フォード製V8エンジンをマウントするプラットフォームは、量産性に優れたモノコックとされた。
デビュー当時に搭載されたのは、5.8LのV型8気筒OHV351CDIユニット。コストを抑えるためほぼノーマルのままミッドシップマウントされていたが、それでも335PSのパワーに45kgfmのトルクという力強さ。そのため同時代のライバル達に引けをとらない速さを発揮した。他のイタリアンブランドと異なり自社製エンジンを持たなかったが、実は米伊のいいとこ取りという理に適った企画だった。