Alfa Romeo 8C Competizione '08の公式解説
SZ以来となる久々のアルファロメオのFRクーペには、伝統的な名前が与えられた。8Cとは1920年代、アルファロメオの持つ技術力を世に知らしめたエンジンの名称で、名匠ヴィットリオ・ヤーノの設計によるものである。当時のアルファの真紅のレーシングマシンだけでなく、数多くのカロッツェリアが採用した革新的な8気筒エンジンとして名を知られた名機だ。
クラシカルな雰囲気を持つフロントマスクは、まさにそのバックボーンを感じさせるデザインである。これは新しいアルファロメオのファミリーマスクとして、8C以降のモデルに与えられている。アルファらしいエモーショナルなデザインも大きな特徴で、全世界500台限定とされた販売台数は、発表とほぼ同時に予約で埋まってしまったという。
車両重量は1,585kgで、前後重量配分は、ややリア寄りの49対51。これを実現するためにボディはスチールフレームにカーボンを組み合わせている。パワーユニットはマセラティとの共通性が高いが、アルファロメオが性能と音をチューニング。4.7L、450PSのV8エンジンは、当然のようにトランスアクスル方式のQセレクトと呼ばれる6速セミオートマチックと結ばれている。そのエキサイティングなサウンドは、世界のあらゆる規制に対応させながら実現したものであるとアルファロメオはアピールしている。
最高時速290km以上、0-100km/h加速4.2秒以下という性能は、そのクラシカルなスタイリングとは裏腹に、スーパースポーツに負けないほどのレベルに達している。