ABARTH 500 '09の公式解説
イタリアの歴史的なチューンナップ・ブランドであり、さまざまな高性能車を生み出してきたアバルト&Cが正式な復活を遂げたのは、2007年のこと。発表と同時に、フィアットグランデプントをベースとしたグランデプントアバルトがお披露目された。その翌年3月のジュネーブショーで、ファン待望の新型モデルが登場した。それがこのアバルト500である。
新生500は歴史的な名車である2代目500を巧みにアレンジし、現代版として生まれ変わらせたモデルで、丸く愛らしいスタイリングとキビキビした走りで爆発的な人気を集めたが、アバルトはこの500の走りの部分を徹底的に磨きあげている。
パワーユニットは1.4L4気筒DOHCにターボチューンを加えたもので、135PS/21.0kgfmを発揮。1,110kgの軽量ボディが生む速さは0-100km/h加速7.9秒、最高速度205km/hと、車格を超えた数値を叩き出している。
サスペンションは前がマクファーソンストラット、後ろがトーションビームと形式こそ標準型と同じだが、スプリングもダンパーも強化された専用品だ。さらにLSDのような働きをするTTCをはじめとした電子デバイス類各種も備わり、背高で丸い姿とは裏腹に安定した動きで素早くコーナーを駆け抜ける。
加えて、空力を意識した大型の前後バンパー、サイドスカート、ルーフエンドのスポイラーなどで、標準型500と異なる勇ましいルックスも手に入れて、アバルトならではの品格をたたえている。