NISSAN SKYLINE 2000GT-R (KPGC110) '73【GT7/グランツーリスモ7】
NISSAN SKYLINE 2000GT-R (KPGC110) '73の公式解説
「ハコスカ」と呼ばれたC10系スカイラインは、1972年9月、新型へとバトンを渡した。C110系という型式名をもつ新型は、コマーシャルのコピーをとって「ケンメリ」というニックネームを与えられ、デビュー早々爆発的な人気を誇るモデルとなった。ボディは無駄なラインを省いた、のびやかな造形。とはいえ、スカイラインのアイデンティティとなったサーフィンラインや丸形4灯のヘッドランプは、しっかり踏襲していた。
このケンメリ・スカイラインにGT-Rのエンブレムがよみがえったのは、翌73年1月のこと。今度のGT-Rは型式名をKPGC110といい、ハコスカGT-Rと同じ名機、S20型直列6気筒エンジンを搭載した。160PS、18.0kgfmという最高出力、最大トルクに変わりはない。フロント・ストラット、リア・セミトレーリングアームという足まわりも先代から踏襲したものだったが、ブレーキが4輪ディスクヘと変更されたことは進化だった。
全長4,460mm、全幅1,695mm、全高1,380mmというボディサイズは、ハコスカから比べるとひとまわり大きい印象だ。
本来ならば、このケンメリGT-Rもサーキットで数々の名勝負を演じるはずであった。ところが、このクルマが闘わねばならなかったのは、排ガス規制という時代の壁だった。
ほとんど純粋なレーシングエンジンといえるS20型が、この強敵に太刀打ちできるわけもなく、日産は苦渋の決断をする。わずか3ヶ月、197台を作っただけで、このケンメリGT-Rは一度もレースを戦わずに姿を消したのである。以来、日産はGT-Rのエンブレムを封印。R32型でこの名前が復活するのは、それから16年後のことだった。
