Volkswagen VolksWagen 1200 (Beetle) '66の公式解説
「ビートル」や「バグ」といったニックネームで世界中に親しまれた、フォルクスワーゲンの「タイプ1」。フェルディナント・ポルシェが設計したこの大衆車は、愛らしい丸みが特徴のシルエットを持ち、後端に空冷4気筒エンジンを搭載したRR車であった。1938年から2003年まで、累計2100万台を生産した記録を持っている。
フォルクスワーゲン1200は、1950年代半ばから1960年代後半にかけての主力であった、1.2Lエンジンを搭載するモデルの正式名称である。
中でも1966年モデルは特別な意味を持つ。この年式のモデルまで電装系に6Vのバッテリーを使用していたため、通称「6ボルト」と呼ばれているのだが、ヴィンテージといわれる年式は、このモデルが最後なのである。1967年モデルからは電装系が12ボルトに、同時にヘッドランプが直立したものになるなど、近代化が進められた。
ビートルマニアの間では、ヘッドランプの傾斜の強い1966年までの穏やかな表情のモデルを好む向きが多い。そのため、当時のモデルにはプレミア的な価値が付いており、現在では年式の新しい車体を1966年までのディテールに仕立て直した「6ボルトルック・ヴィンテージルック」と呼ばれる個体が流通しているほどだ。
1200に搭載されている1,192ccエンジンは1954年に登場。その後1965年に1,285ccが、1966年に1,493ccが登場してからも、ベーシックなパワーユニットとして70年代後半まで生産が続けられた。その間にはもちろん熟成も図られて、当初は34PSからのスタートだったが最終的には40PSまでパワーアップしている。